ベターリビング理事長賞第2回SDGs住宅賞
「Brillia深沢八丁目」

| 建築主 | 東京建物株式会社 |
| 設計者 | 大末建設株式会社一級建築士事務所 |
| 施工者 | 大末建設株式会社東京本店 |
| 建設地 | 東京都世田谷区 |
| 構造 | 鉄筋コンクリート造 |
| 階数 | 地上3階 |
| 延床面積 | 3412.37m2 |
講評
東京都世田谷区深沢の第一種低層住居地域に建設された、3階建ての共同住宅である「Brillia深沢八丁目」は、汎用的な技術や仕様を組合せた省エネ性能の向上や、再エネや既存物利用によるサステナビリティに対する気付きなど、事業性を大きく損なうことなくSDGsに取り組むことが可能であることを示した提案を行っている。
例えば、外皮仕様では、屋根スラブ上に硬質ウレタンフォーム保温板50㎜、外壁に吹付硬質ウレタンフォーム50㎜施工しているが、前者は構造躯体の設計に影響を及ぼす押えコンクリート施工が不要となる厚さ、後者は1回の吹付け工程で施工可能な断熱厚さを採用するなど、材料費以外の建設費の増大や住戸計画の自由性を損なわないよう配慮している。窓に関しても、現状ビル用サッシとして使用できる断熱性能が高いアルミ樹脂複合サッシ+アルゴンガス入りLow-E複層ガラスを用いて全住戸で断熱等性能等級6以上を達成するなど、年間を通した快適性を実感できるレベルとなっている。
また、一次エネルギー消費性能に関しても、住戸数に対して屋根面積の大きい低層建築物であること活かした積極的な太陽光発電の設置と、家庭用燃料電池(エネファーム)の全住戸導入等により、全住戸平均の一次エネ削減率114%を達成している。
上記以外にも、平常時及び非常時に活用可能なV2H(vehicle to home)の導入、既存建物に使用していた建材等の再利用やアート活用、SAF(航空燃料)利用等を想定した廃食油回収など、居住者に様々な気付きを与える仕組みが設けられている。
一般的に、共同住宅は戸建て住宅より、消費者の購入判断が建設地の利便性やブランドにより左右されやすいため、建築物(住宅)の性能等に関する関心が高くない傾向にあるが、本提案に示す展開可能な手法を用いることにより、入居者あるいは事業者に対し、SDGsに関する関心、気付きを与える効果があることが期待される。

