IBEC 建築省エネ機構(一般財団法人 建築環境・省エネルギー機構)

板硝子協会会長賞第2回SDGs住宅賞

「警固竹友寮」

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建築主 株式会社竹中工務店
設計者 株式会社竹中工務店
施工者 株式会社竹中工務店
建設地 福岡県福岡市
構造 木造(CLTパネル工法)+鉄筋コンクリート造
階数 地上5階
延床面積 919.69m2

講評

 福岡市中心部に建つ、竹中工務店の単身寮。全住戸が角部屋の住戸配置とし、各住戸のアプローチとなる専有の通り土間がCLTの外壁と室内の間に設けられている。有効幅約1m程度の通り土間が、約20㎡の単身の個室の前庭や縁側となり、リビングの延長として暮らしを豊かにするとともに、建物全体に通風を促し、住まい手による調整可能な環境装置も生活に工夫をする楽しみを生み出している。そして、プライバシーを確保しつつも通り土間に対しては全面ガラスの大きな開口部を設けることが可能となり、そこから光や風を取り込める開放的な住まいとなっている。庭のない集合住宅にとって、小さいながらも屋根と壁で囲われた半外部空間は生活する上で癒しのみならず、物理的にも有効に働いている。趣味の用具、自転車、靴などの置き場ともなり、風通しが良いので、洗濯干や食料置き場などに利用されるに違いない。住み手の環境的、視界的、物理的、精神的に余裕を与える住まいとなっている。
 気流シミュレーション、3次元の伝熱計算、蓄熱、昼光解析、ホールライフカーボン、アップフロントカーボン、エンボディドカーボンなどの試算と評価を行なっている。強いて言えば、断熱等級に今一歩と評価が割れたところであるが、「自然通風」「通り土間」「木造」といった、古来の日本家屋が当たり前のように持っていた手法を採用していることに好感がもてる。
 構造はCLT 壁とRCフラットスラブにより、都心部における木造耐火建築を実現。ハイブリット架構とすることで、床の遮音性能の確保、CLT壁の自由な配置、ロングスパン化を可能としている。
 社内の意匠、設備、環境、構造の若いエンジニアがコラボレートして計画し、竣工後の実測評価まで行なっている。設計施工会社の強みを存分に発揮して「つくる責任つかう責任」「パートナーシップで目標を達成しよう」のSDGsの目標を見据え、持続可能な建築のモデルを創出している。総合的に集合住宅、社員寮として挑戦的で画期的な計画と評価できる。

 

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