国土交通大臣賞第2回SDGs住宅賞
「代々木参宮橋テラス」

| 建築主 | 株式会社竹中工務店 |
| 設計者 | 株式会社竹中工務店 |
| 施工者 | 株式会社竹中工務店 |
| 建設地 | 東京都渋谷区 |
| 構造 | 壁式鉄筋コンクリート造 |
| 階数 | 地上4階 |
| 延床面積 | 6913.49m2 |
講評
社員寮を建て替え、居住者の健康増進と脱炭素を両立させる都心型中層賃貸集合住宅とした作品である。防犯性とプライバシーの観点から採用されたロの字型配置の中央に、フライングコリドーが架けられている。大きさの異なる7つのボイドから4層に自然光が届く開放的な多重中庭が構成され、北向き住戸にも南面採光を確保している。二住戸に対して1本の分岐コリドーが接続され、豊かに緑化された中庭からアクセスするようになっている。中庭にはエレベーターが2機あるが、階段の上り下りで立体的緑化と光のコントラストによる景色の変化が感じられ、歩きたくなる環境が形成されている。コミュニティ形成のニーズが相対的に低い賃貸住宅であるが、豊かな中間領域が住人同士の自然なコミュニケーションを生む仕掛けにもなっている。在来種や地域の生態と連携する樹種が選定されており、外構も含めて緑化することで、敷地内で完結しない都市の緑地と生物多様性のネットワーク形成が図られている。
全住戸で木製サッシとLow-Eトリプルガラスが採用され、高い断熱性を達成している。また、室温上昇時は玄関扉横の自然通風ガラリを開放し、セキュリティに配慮しながら積極的な自然通風が可能となっている。屋上には170kWの太陽光発電パネルが設置され、専有部はヒートポンプ給湯器、全熱交換器、高効率エアコンを備えたオール電化集合住宅としている。共用部と専有部を管理するEMSと給湯器の連携により受電電力が平準化され、自家消費率81%のエネルギー地産地消が図られている。外皮平均熱貫流率0.25W/(㎡・K)、再生可能エネルギーを除いた評価でBEIが0.6(基準値40%削減)、再生可能エネルギー込みの評価でBEIは0.24となり、非分譲の大規模集合住宅(延べ面積3,000㎡以上)として国内初(2023年3月開業時。自社調べ)のNearly ZEH-Mを達成している。
なお、エンボディドカーボンを含むホールライフカーボンの評価(J-CAT)では、木製サッシ、ノンフロン断熱材の採用により、標準的な仕様と比べて約4割減となっており、環境性能と豊かな空間が高い次元で両立している本作品は、国土交通大臣賞に値するものと認められる。

